口は一つ、耳は二つ、なぜ?(3)

 (傾聴の効果)

 そういうことであれば、意識的にこの自己顕示欲を少し押さえて、できるだけ
聞き手にまわるように努力してみてはどうでしょうか。

他人にはなかなか強制はできませんが、自分ならすぐにでも実行できることです。

 ただし、自分の経験からいっても、一時的にその気にはなっても、継続することは
なかなか難しいことです。ではどうすればよいか。
 
 継続させるためには「すべての人から貪欲に学ぶ」という精神的態度を
把持することであると思います。

どんな人からも学ぶべき点があります。

各人にはそれぞれに長所、短所があるのでそれらを学びの材料とすることです。

人間研究の一環であると考えることです。
 
 そうすることにより、自分自身が一回りも二回りも大きな人物となっていきます。

傾聴は自分自身のためにもなるのです。
 
 自分が聞き手にまわることにより、話し手は認められた理解してもらえたと満足し、
あなたに対し好感を持つようになるでしょう。

悩みなどを最後まで聴いてあげるだけで相手はすっきりするというのは本当です。

これはカタルシス効果とも呼ばれています。私も両方の立場での経験をしたことがあります。
 
 また、人は他人の話を最後まで聞こうとしない性向を持っていますから、それを逆手にとって、人に話す場合には、できるだけ短く、しかも結論から先に話すようにすれば効果的です。
 
 そして相手が関心を示してきたら、じっくりと話せばよいでしょう。

そのためには、話す前に、頭の中で話す内容を、相手が関心を持つようによくまとめておく必要があります。関心がなければその話題はやめてしまえばよいでしょう。
 
 傾聴は人間関係をよくするひとつの方法でもあります。人間関係をよくするにはお金は全くかかりません。

 「口は一つ、耳は二つ」なぜか? 

「自分がしゃべるよりも、人の話をよく聴くため」といわれています。

ここに何か人智を越えた巧妙な神しくみといったものが感じられます。

 

本テーマ完